混乱のもと!?「自動詞」としての「Ser」と「Estar」
¡Hola, todos y todas! なな子です。
今日のテーマは、スペイン語学習者の方なら「あれ?」と
不思議に思ったことがあるかもしれない
「Ser」と「Estar」の「自動詞」としての働き
に焦点を当てて解説していきます。
「Ser は永続的なもの、Estar は一時的なもの」
この考え方に未だ縛られている方には
目から鱗かもしれません!
一般的なルールでは説明できない「Ser」と「estar」
まずは、自動詞とは何か?について説明します。
自動詞は、目的語を必要としない動詞です。
「笑う」「歩く」「眠る」など
「~を」の部分が無くても主語だけで意味が通じる動詞
と考えましょう。
では、本題に入ります。
下の2つの例文をごらんください。
Monte Fuji está en Japón. | 富士山は日本にあります |
El concierto es en la plaza Mayor. | コンサートはマヨール広場で開催されます |
「あれ?富士山はずっと日本にあるのに「estar」が使われるのは…なぜ?」
「イベントの場所には 「ser」が使われるけど、イベントって一時的なものじゃないの?」
こんな風に思ったのではありませんか?
実は、私もスペイン語を学び始めた頃
「Ser」と「Estar」のこの使い方に少し混乱を感じました。
なぜこのような混乱が起きるのでしょうか?
その原因は、「estar」が持つ「場所を示す自動詞」としての働きを無視して、
「一時的な状態」を表す一面だけで捉えようとするからです。
場所を示す自動詞「estar」
もういくつか、例文を挙げます。
Ahora mismo, estoy en el centro comercial. | 私は今、ショッピングセンターにいます。 |
ここで使われている「estar」は、おそらく
皆さんのイメージ通りでしょう。
私はショッピングセンターにいるのは、
買い物をしているか何らかの理由があるからであって
用事が済めば、どこかほかの場所に移動するのは明白です。
つまり、ここでは「一時的な状態」が当てはまります。
しかし、次の例文ではどうでしょうか?
La Alhambra está en Granada. | アルハンブラ宮殿はグラナダにあります。 |
Londres está en Inglaterra. | ロンドンはイギリスにあります。 |
これらの例では、アルハンブラ宮殿がどこかへ移動するはずもなければ、
ロンドンが一時的にそこにあるわけではありませんよね。
ここで重要なのは、「estar」が
「○○にある」というそのものの存在場所を示す「自動詞」
として使われているということです。
ですから、例えば
Mi perro está en el jardín. | 私の犬は、庭にいます |
という文で、
「ここで『estar』が使われるのは、犬がいつもそこにいるとは限らないからです」
と説明するのは、適切ではありません。
この文で用いられている「estar」は、
ただ単に、その時点で犬がいる場所を示しているだけで、
この後、犬がどこかに行ってしまって居なくなるか、ならないかは
全く関係がないということを、しっかり理解しておいてください。
そして、対象が永続的なものでも一時的なものでも、
その場所を尋ねる場合は、常に dónde + estarを使って
¿Dónde estoy? | 私はどこにいるの? |
¿Dónde estás? | 君はどこにいるの? |
¿Dónde está (○○*)? | (○○は)どこにいるの?/あるの? |
¿Dónde estamos? | 私たちはどこにいるの? |
¿Dónde estáis? | 君たちはどこにいるの? |
¿Dónde están(✖✖**)? | (✖✖は)どこにいるの?/あるの? |
というふうに質問する、と覚えておきましょう。
イベントを示す自動詞「ser」
今度は「ser」について見ていきます。
下の例文を見てください。
Mi clase de español es en la escuela oficial de idiomas. | 私のスペイン語のクラスは、公式語学学校で行われます。 |
La fiesta es en la casa de María. | パーティーはマリアの家で開かれます。 |
これら2つの文からわかる通り、
スペイン語のクラスはある一定の時間枠の中でしか行われず
しかも永続するものではありません。
パーティーも持続時間が短い一時的なイベントです。
にもかかわらず、どちらも「ser」が使われます。
つまり、「○○で行われる」という時には、いずれの場合も
イベントや予定された事象の開催場所を示す「自動詞」としての「ser」
を用いるということです。
この自動詞としての「ser」は連結動詞としての「ser」とは別物である
というふうに、しっかり理解しておいたほうがいいです。
まとめ
「Estar」の自動詞としての働き
- 意味: 「○○にある」という、そのものの存在場所を示す
- 対象: 人、建物、場所、都市など、何にでも使える
- ポイント: 対象が永続的でも一時的でも、場所を示す場合は「estar」!
「Ser」の自動詞としての働き
- 意味: 「○○で行われる」「○○で開催される」というイベントの開催場所を示す
- 対象: コンサート、授業、会議など、予定された事象
- ポイント: 一時的であってもイベントの開催場所を示す場合は「ser」!
この理解を持つことで、あなたのスペイン語表現は
一段と自然で正確なものになるはずです。
¡Sigue aprendiendo!