¡Hola a todos y todas!
スペイン語学習者の皆さん、こんにちは。
「ser」と「estar」。
この二つの動詞は、たぶん
スペイン語学習の初期段階で
多くの人がぶつかる壁のひとつ
ではないでしょうか。
「一体どっちを使えばいいんだろう?」と、
迷った経験は、私自身も数えきれません。
この記事を作成するにあたり、私も改めて
「ser」と「estar」の使い分けについて
ネットの掲示板で調べたり、
周囲のスペイン人に聞いてみました。
多くの人が口を揃えて言うのは、
「これは本当に奥深いテーマだ」ということ。
明確で絶対的なルールがあるわけではなく、
常に意識して使い分けているわけではない、
というのが正直なところのようです。
この記事では、スペイン語話者の生の声に基づき、
「ser」と「estar」の生きた感覚、そして
その使い分けの根底にある考え方を、
皆さんと共有したいと思います。
表面的なルールだけでなく、「なぜそう表現するのか?」
という本質に迫ることで、皆さんのスペイン語表現が
より自然で豊かなものになるよう
お手伝いさせてください。
今回は、「ser」と「estar」にあるいくつかある働きのうち
連結動詞
としての働きを解説していきます。
1. 連結動詞「Ser」と「Estar」の基本的な考え方
まず、「連結動詞」とは何か?を簡単に説明します。
連結動詞は「主語 = 補語」 の関係を作る動詞です。
主語がどのような状態か、どんな性質を持つかを説明する言葉(補語)と
主語を「イコール」で結びつける働きをします。
「~は = ~だ」「~は = ~の状態だ」というイメージです。
ではさっそく、連結動詞としての「ser」と「estar」について
見ていきましょう!
内側と外側からの視点
「ser」と「estar」を理解するための
私が最も良いと感じた教え方の一つに
このような考え方があります。
「ser」は、
‐ そのものの内側にある本質的なもの
‐ そのものが生まれた時から持っている性質や容易には変わらない特徴
を指す、ということです。
一方、「estar」が捉えるのは、
‐ そのものの外側にあって、ある時点で何らかの形でそのものに影響を与えるもの
であり、
‐ 一時的な状態や気分、
‐ 「本来あるべき姿」からの一時的な変化
を示すことが多いと言えます。
多くのスペイン語話者は、この
「内側にあるもの」と「外側から影響するもの」
という考え方を、直感的に理解しているようです

2. 連結動詞「Ser」と「Estar」の違い
前の項で、
「ser」=そのものの内側にある本質的なもの
「estar」=そのものの外側から影響を受けるもの
という基本的な考え方をご紹介しました。
この考え方を軸に、具体的な例を見ながら
「ser」と「estar」がどのように使い分けられるのか
さらに深く掘り下げていきましょう。
A=B で「ser」しか使えない場合 – 変わらない属性
「A=B」の形で「ser」しか使えないケースでは
B=Aの内側にある本質的な情報、つまり
B=属性 / カテゴリ / 定義
といったものになります。
- 名前: 名前は、その人を特定する基本的な属性であり、通常変わりません。
Soy Nanako./ Mi nombre es Nanako. - 性別: 生物学的な性別は、原則として変わらない属性です。
Soy mujer./ Soy hombre./ No soy ni mujer ni hombre. - 職業: 職業は変化しうるものですが、人生における特定のフェーズ、または話者が語る時点でカテゴリに分類されるものとして捉えられます。
Soy músico./ Soy profesora de español. - 時刻・曜日・日付:時刻、曜日、日付が「普遍的な概念であり、その時点での絶対的な事実を示す」と説明することもできます。しかし、私自身、この説明ではよくわからないので、時刻、曜日、日付に関しては、深く考えずに「ser」を使うと覚えておくことをおススメします。
Son las once de la noche./ Ya es tarde.
Hoy es domingo./ Mañana es 28 de abril. - 国籍・出身:国籍や生まれた場所は、その人の根源的な属性です。
Soy japonesa./ Soy de Tokio. - 材料: ものの材料は、そのものを構成する本質的な要素で、絶対に変わりません。
Esta mesa es de madera./ Este edificio es de piedra. - 定義:あるものが何であるかを定義づけるわけですから、文句なく永続的な性質といえます。
El flamenco es un arte./ Japón es un país. - チームのファン:応援するチームのファンという集団が、その人の属性として捉えられます。
Soy del Barça./ Soy del Real Madrid. - 政治的立場:政治的立場も、同じイデオロギーを共有する人たちの集団への属性を示しています。
Soy de izquierdas. - 利き手・利き足:利き手や利き足は、基本的に変わらない身体的特性です。
Soy zurdo(zurda). - 未亡人・やもめ: 「配偶者に死に別れた」という状態は、たとえ再婚したとしても今後ずっと変わらない状態であるため、永続的であると捉えられます。
Soy viudo(viuda).
これらの例から、「ser」が
主語(A)の変わらない属性や定義(B)を結びつけ、
そのものの本質的な情報を伝えている
ことがお分かりいただけたと思います。
A=B で「estar」しか使えない場合 – 一時的な状態や変化
一方、「A=B」の形で「estar」しか使えないケースでは、
Bは、Aの一時的な状態・外的な要因によって変化した状態
を示しています。
健康状態: 健康状態は、日々の活動や体調によって常に変化します。
Estoy cansado(cansada)./ Mi madre está preocupada por mí.
心の状態: 感情は、様々な出来事や状況によって揺れ動くものです。
Estoy triste./ Mi madre está preocupada por mí.
天候:天候は、時間や場所によって刻一刻と変化するものです。
Últimamente, siempre está nublado.
Está oscuro. Parece que va a haber una tormenta.
+ 副詞 bien, + 副詞 mal: 副詞の「bien」や「mal」は、その時点での状態についての主観的な評価を示すときに用いられます。
El museo no es famoso pero no está mal.
婚姻状態:「やもめ」・「未亡人」以外の婚姻状態は、変化する可能性のある状態とされます。
Estoy soltero(soltera)./ Estoy casado(casada)./ Estoy divorciado(divorciada).
これらの例では、「estar」が
主語(A)の一時的な状態や、
外的な要因による変化(B)を結びつけ、
その時点での情報を伝えていることがわかります。
A=B で「ser」と「estar」のどちらも用いられ、意味が異なる場合
内的な性質 vs. 外的な影響
興味深いのは、「ser」と「estar」のどちらも使える場合に、意味が大きく異なるケースです。ここでは、「内側にある性質」と「外側からの影響による状態」の違いがより鮮明になります。
いくつか例を挙げて説明しましょう。
- alto(alta):生まれ持った身長が「高い」と言う場合「ser」で表しますが、靴などの外的要因による一時的に身長に変化がある場合に「estar」で表します。
Soy alto(alta).
Hoy estoy alta, porque llevo tacones. - bueno(buena):その人の性格が本質的に良いという場合「ser」で表しますが、「estar」と組み合わさると、食べ物について「美味しい」という意味になります。
Eres buena.
La tortilla está buena. - transparente: 水という物質の普遍的な性質・定義として「透明なものである」と言う場合「ser」ですが、定義上「透明であるはずの」の水が濁っているなど、一時的な状態を言う場合には「estar」で表します。
El agua es transparente.
Este agua no está transparente. - amable: その人の基本的な性格が優しいという場合は「ser」ですが、その日「なぜか」一時的に「優しい」と言う場合には「estar」を用います。
Mi jefe es amable.
Mi jefe está amable hoy. - listo(lista): その人の持つ能力や知性が高いという場合には「ser」ですが、(特定の行動のための)準備が完了した、と言う場合には「estar」が使われます。
Carlos es listo.
Estoy listo para salir.
これらの例からも、「ser」が本質的な、変わらない側面を捉えるのに対し、「estar」は一時的な、変化する側面を捉えるという原則が明確に見て取れます。

どうですか?
連結動詞「ser」と「estar」の違いについて
おおまかなイメージがつかめたでしょうか?
【Part 2】では自動詞としての「ser」と「estar」の機能について説明します。
¡Hasta la proxima!
おわりに:言葉のパレットを豊かにしよう
「ser」と「estar」の使い分けは、
スペイン語の表現において、
伝えたい意味合いを描き出すための重要な要素です。
それぞれの動詞が持つ異なる視点を
理解し、使いこなすことで、
あなたのスペイン語はより自然で
より豊かなものになるでしょう。
この記事が、あなたにとって
「ser」と「estar」の使い分けの理解を深める
助けとなれば幸いです。
¡Sigamos aprendiendo juntos!(一緒に学び続けましょう!)