レシピ紹介
1月6日は東方の三賢人の日(ディア・デ・ロス・レイエス・マーゴス)。
ここスペインでは子供達(大人もですけど)はクリスマスではなくこの東方の三賢人の日の翌朝にプレゼントを受け取ります。
我が家の息子達も、小さかった頃は早くから起きだしてもらったばかりのおもちゃで楽しそうに遊んでいたものです。
でも実は私、彼らよりずっと先に起きてロスコ・デ・レイエス(またはロスコン・デ・レイエス)を焼いていたことがありました。
ロスコって何?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、スペインで三賢人の日に皆で食べるのが習わしのケーキのことです。
食べる時期はスペインとは異なるものの、フランスからの入植者の多かったアメリカ合衆国南部でもキングケーキなるものが存在するようですね。
ケーキとは言ってもイーストをつかって発酵させながら作るので、まあ大きな菓子パンといったところ。
ただ普通の菓子パンと違うのはオレンジフラワーウォーターで香りづけがされてある点です。
このオレンジフラワーのなんともいえぬいい芳香こそが、ロスコをロスコたらしめる一番重要な要素だと言えます。
オレンジフラワーウォーターはスペインではアグア・デ・アサール(agua de azahar)といいます。
日本でも通販などで手に入るようですね。
さて、スペイン在住の方は皆さんご存知だと思いますがロスコの中にはフィギュア(または乾燥そら豆)が隠されています。
これに当たった人が次の年にロスコを持って行かなければならないという決まりなので、切り分ける時はけっこう盛り上がります。
猫も杓子もロスコの1月6日は、街のケーキ屋(パン屋)の工房は修羅場だろうと思います。
いったい1日でいくつロスコをさばくのか、見当もつきません。
この日は朝からこれを買おうという人たちで長蛇の列ができます。
すごい量の需要があるから作る側の言い値で売れるとはいえ、いつだったか元義理ハハがビッグサイズのロスコ2個に88ユーロ払ったというのだから驚き。
私はロスコごときにそんな大金は出せない!ということで、しこしこ作っていた時期がありました。
作成のプロセスで何度か発酵させなければいけないので仕上がりまでに6時間ほどかかりますが、機会があったら是非作ってみてください。
ロスコはふつう横半分(水平方向)に切り、好みで生クリームかカスタードクリームを挟んで食べます。
どちらかというと生クリームは苦手なほうなのに、なぜかロスコはカスタードクリームより生クリームで食べるほうが好きです。
もちろん何も挟まなくても美味しいです。
レシピ
ロスコ・デ・レイエス
rosco de reyes
材料
(元種)
強力粉・・・150g
生イースト・・・40g
温めた牛乳・・・65g
(生地)
強力粉・・・350g(+打ち粉 80g)
塩・・・10g
卵・・・3個
オレンジの皮のすり卸し・・・1/2個分
レモンの皮のすり卸し・・・¥1/2個分
オレンジフラワーウォーター・・・30g
バニラビーンズ・・・少々
ラム酒 ・・・大さじ1
バター・・・110g
砂糖・・・120g
(トッピング用)
溶き卵・・・1個分
オレンジの皮のコンフィ・・・適宜
砂糖・・・適宜
アーモンド・・・数粒
作り方
1. 元種を作る。ボウルに生イーストを入れ、軽くほぐしておく。
強力粉と人肌に温めた牛乳を加え、生地がひとつにまとまるまでよく捏ねる。
沈んでいた生地が浮き上がってきたら準備完了なので、取り出して水気を切っておく。
3. 大きなボウルに元種と強力粉(350g)、塩、卵、オレンジとレモンの皮のすり卸し、オレンジフラワーウォーター、バニラ、ラム酒を入れ、7分ほどゆるやかに捏ねる。バターと砂糖を加えさらにエネルギッシュに8分ほど捏ねる。
4. ここで生地を作業台に移す。生地がかなり柔らかいので、打ち粉をしながらべたつかなくなるまで辛抱強く捏ねる(はじめはベタベタだった生地が打ち粉80gで必ず写真のようにまとまります。80g以上は加えないで下さいね!慣れてくるとここまでの行程が約1時間で出来るようになります)
5. 大きなボウルにひとまとめにした生地を入れ、ラップをして暖かいところ(35℃が最適)に置いて発酵させる(膨れた生地が触れてもくっつかないよう、ラップの内側にオリーブオイルを塗っておくとよい)
6. 生地が約2倍に膨れたら(2時間ぐらいかかる)ボウルから取り出して再び捏ねる。
いったん生地を丸めて中心に指で穴をあけ、次第にひろげていく。生地を両手でつかんで持ち上げ、生地自体の重みで穴を大きくしていってもよい。
7. 天板にオーブンシートを敷き、生地をのせる(フィギュアを入れる場合はこのときに生地の裏側になる方から入れておく)真ん中に丸型のセルクル(ここでは直径9センチ)を置く(セルクルの外側にオリーブオイルを刷毛で塗っておく)
8. 布巾などで覆って、生地が2倍に膨らむまで再び35℃で発酵させる。
9. 生地が膨らんだら溶き卵を全体に塗る(表面を傷つけないように注意すること)オレンジの皮のコンフィ(好みでドレンチェリーなども)を等間隔に置き、残りの部分に砂糖を数滴の水で湿らせたものと刻みアーモンドを載せる。
10. 180℃に温めたオーブンで15分焼く。
粗熱が取れたらセルクルとロスコの間にナイフ立てて入れ、セルクルに沿って動かしながらナイフを一周させる。
セルクルとロスコを切り離してからセルクルを外し、出来上がり。
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