カタクチイワシの自家製マリネ

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レシピ紹介

スペインを訪れた方ならご存知のことと思いますが、スペイン人たちが何かをつまみながら一杯やる バル(Bar)にはよく寿司屋を同じようにカウンターにショーケースがあって、その中に色々な種類の小料理が並んでいます。

バスク地方のピンチョスで有名なバル等では、カナッペ風のものがカウンターに美しく並べられてあることが多いのですが、昔ながらのおっさん御用達バルだと惣菜風の料理が大きなバットに入れられてショーケースの中にどんと置かれているのが普通です。

客がショーケースのなかから食べたいものを選んで注文すると、カウンターで働く カマレーロ(またはカマレーラ)=給仕 が一人分を小皿に取って(必要があれば温めてから)サーブしてくれるという仕組みです。

こうやって小皿に出てくる小料理が有名な タパス(バスク地方ではピンチョス) と呼ばれるもので、ざっとスペイン家庭料理の縮図を見ることが出来てしまいます。

ショーケースの中身といえば、トルティーヤ、ロシア風ポテトサラダ、ミートボール、コロッケ、イカの墨煮、マッシュルームのガーリック炒め、チョリソの煮込み、モツの煮込み、腎臓の煮込み…

バルによって品揃えは異なりますが、今日紹介するカタクチイワシのマリネもそういったショーケースの中身の常連です。

私はこのカタクチイワシのマリネが大・大・大・大・だ〜い好き。

生のカタクチイワシを酢で〆てからオリーブオイルを回しかけただけなので、日本のシメサバと同様、刺身の部類に入れていいでしょう。

たまにコハダが食べたい発作に襲われたとしても、これを食べれば治まります。

だからこのカタクチイワシのマリネを好んで食べる人たちが「スシって生のお魚でしょ?気持ち悪いわ」などと言おうものなら思わずこう言いたくなります。

貴方たちが食べてるそのお魚も生です、ナマ!

とはいえスペインでも、もうずいぶん寿司がポピュラーになりました。

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スーパーマーケットの冷凍食品売り場でも見かけるようになった冷凍寿司。

解凍してそのまま食べられますということらしです。

サーモンはともかくご飯がマズそうですね。

ちなみに、この『元祖ジャパニーズ寿司』を買ってる人を、まだ一度も見たことはありません。

カタクチイワシのマリネもパックで買うことが出来ます。

でも、私の好みからいって酸味が強すぎることが多いのが難点。

長期保存させるための対策だから、仕方がありません。

だったら自分で仕込もうと思い立ち、やってみたらやっぱり酢〆の加減が難しい。

最初のうちは出来上がったものが酸っぱ過ぎということが続きました。

何度かの失敗の後、酢だけではなく水を加えて〆る方法に変えてみたら、ようやく酢特有の尖った酸味を感じさせない美味しいマリネが出来るように。

それ以来カタクチイワシのマリネは必ずこのレシピで作るようにしています。

もちろんマリネの方法は他にもいろいろあります。

それぞれ美味しくできるので、色々試してみるのも面白いかと思います。

活きのいいピカピカのカタクチイワシが手に入ったら、ぜひ作ってみてください。

下処理が少々面倒ですが、¡ Merece la pena ! (メレセ・ラ・ペナ=苦労する価値あり)

レシピ

カタクチイワシのマリネ
anchoas marinadas

材料

新鮮なカタクチイワシ・・・500g
リンゴ酢・・・300㎖
水・・・200㎖
塩・・・小さじ2程度
にんにく・・・お好みの量
イタリアンパセリ・・・お好みの量
オリーブオイル・・・適宜

作り方

1. カタクチイワシ(以下イワシ)の頭と内臓を丁寧に取り除く(私はここまではお魚屋さんにやってもらいます。丁寧とは言いがたいけど…後の手間が省けるんで背に腹は代えられません…笑)中骨は残したままでよい。イワシの身が血で汚れているようなら、流水でさっと洗い流し水気を拭き取っておく。

2. 身を閉じた状態でイワシを容器に並べ、塩をふって10分ほど置く。

3. リンゴ酢と水を混ぜ合わせて 2 に注ぎ入れる。ラップで落としぶたをしてイワシ全体がマリネ液にまんべんなく浸かるようにしたら、冷蔵庫に入れて 7時間 ほど置く。

4. イワシの身の部分にまだほんの少し赤い部分が残っている状態でザルにあげて水気を切り、中骨を取リ除く(このとき一緒に尻尾と背びれも取っておくと、より食べやすくなります) 

5. 中骨を取り除いたイワシの皮がついているほうを上にしてタッパー容器に並べ、オリーブオイルをひたひたに注ぎ入れる。好みでにんにくとイタリアンパセリのみじん切りも加える。冷蔵庫に1日置いて味を馴染ませ、出来上がり。

警告)皆さんもご存知の通り、カタクチイワシを生食する際にもアニサキスの問題を避けて通ることは出来ません。マリネにするときは信用できる馴染みの魚屋でごく新鮮なものを購入することをお勧めします。それでもどうしても心配な場合はオイル漬けにした後タッパー容器ごと冷凍庫に入れて48時間置きます。鮭を生食する場合も同様です。

「コハダが食べた〜い」と思った時に作ったカタクチイワシ丼↓

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オリーブオイルを酢でさっと洗い流してすし飯の上に並べ、刻み海苔と醤油をかけていただきます。

さすがにコハダの味はしませんが、飢餓感は癒されました。

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